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| ニューパブリックパートナーズ代表・梅村雅司のプライベートコラムです。団体設立の裏側にあるストーリーを語り、個人の思いなどを書きたいと思います。 ■プロフィール ■行政経営スクール設立の動機 現在も当時と比べて事情はさほど変わっていないと元同僚や各地の公務員から聞いています。行政改革が続き人員は減らされ仕事はより忙しくなっているが、不十分な人材育成環境は昔のままと言います。研修、人事配置ともに従前の運用が続いている。仕事のやり方や職員意識にも大きな変化は見られない。行政経営が重視される時代となり、それを担いうる人材を育てなければならないにもかかわらず、そこに力は入っていないようです。最近になってようやく人材育成方針を作り始めましたが、実効性のあるものは果たしてどれくらいあるでしょうか。 自分の体験を振り返り今後の行政を考えたとき、こうした現状を早く変えなければならないという強い思いが私の中に湧き上がってきました。企業人材に比べ行政人材は職務能力の開発余地がまだ大きくあります。勘と経験と努力だけでは埋めきれない大きな溝が社会との間でできています。行政人材を含めパブリック分野にかかわる職業人がその能力を高めなければ、公共サービスは不満が多いままで、住みよい市民社会はいつまでも訪れません。そこで、公共人材の能力開発を見直し積極的に支援するため、企業や海外の事例を参考に専門実務スキルを身につけられる場を提供できないかと考えたのです。 二つの出会いも大きなきっかけです。一つはグロービスとの出会い。ここは社会人向けにハーバード式のMBA教育をおこなうアフターファイブのビジネススクールです。90年代初めにベンチャー企業として発足し、たちまちのうちに多くの企業人らの支持を得ました。私も通ってみて、その素晴らしさに感激したのを覚えています。 これら具体的な取り組み方法が先の問題意識と結びついたとき、行政経営スクールの構想が生まれたと言えます。グロービス型のモデルで行政経営を学べるスクールを作ったら素晴らしいに違いない。行政研修の変革を促す一歩になりうるのではないかと思いました。 ■スクール構想 では、どのように育成するか。行政経営フォーラムでの議論や各地の公務員へのインタビュー、米国の行政大学院調査などを通じて一つの結論が見えてきました。カリキュラムと教育法を工夫することで、専門知識習得はもちろんのこと、問題解決能力や対人能力の訓練、思考・行動特性の理解や意識転換にも効果が出せます。実務に直結したマネジメント領域のテーマに特化し、行政実例を自分で分析して成功要因や問題解決策を考え、クラスディスカッションやロールプレイングで弁論・交渉の対人訓練をおこない、異質の人材に触れ合う環境を作ることができれば、かなり統合的なプロフェッショナル能力開発の場となりうるに違いありません。 大学院で学ぶ時間的・経済的余裕がない人の方が圧倒的に多いわけですから、彼らのために能力開発の機会を別に用意することが重要になります。行政経営スクールはそうした場を提供するために開設しました。行政経営について学ぶ場がないことに不満だった皆さんや、職場で与えられる研修に飽き足らない人たちに向けて、個人の主体的なキャリアデザインに役立つような公共・非営利分野のマネジメントスキル開発プログラムを創造していきたいと考えています。能力開発とナレッジ共有、官民交流のプラットフォームとして大いに活用してほしいと思います。 行政・政策系大学院の卒業生は職場に戻ってから大学院で身に付けたスキルを生かせないという声を調査の中でよく聞きました。そうしたスキルを生かせる仕事や部門は限られているせいもあるようです。しかし、せっかく苦労して身につけたスキルを眠らせるのはもったいない話です。アウトプットする場がないと、いずれスキルは失われていくでしょう。そうであるならば、そのスキルを教える場があればいいのではないか。大学院へ行きたくても行けない多くの人たちへ還元することは大変意義のあることです。教える側にも教えられる側にも双方にメリットがあります。 私は行政経営スクールでケースメソッドを全面的に展開するつもりです。その前提としてケース教材の開発と蓄積を重点的に進めていきます。ケースの蓄積こそが行政経営教育の基礎を固めるものと考えるからです。それは行政経営知識の集積になり、厚みになります。そして、行政研修の転換を促し水準を引き上げることにつながっていくでしょう。 ■NPOへの思い スクールでは単なる知識の伝授をおこなうのではありません。NPOという場を利用して講師と受講生の一方的関係を超えた双方向的な関係性を築き、フラットな立場で相互に学びあうコミュニティの形成を目指しています。いわば「学びの共同体」です。これは行政経営スクールの特徴の一つであるケースメソッドがまさに目指すところと一致します。ディスカッションを通じて経営意思決定の疑似体験をし、お互いの持つ知見を共有しあうのがケースメソッド授業です。 受講生はクラスで学びあい、職場に戻って実践し、その成果をまたクラスにフィードバックします。それは講師としてかもしれません。人に教えることで学びはより深まります。受講生は講師から学び、他の受講生からも学び、そして講師も受講生から学びます。常に学びの循環が生まれるような場が我々が目指すコミュニティです。 ■団体名とマークの由来 一方、ダブルウィングのシンボルデザインは、ハイ・フライヤー(High Flyers)を目指す人を育成するという団体理念を形にしました。「ハイ・フライヤー」という言葉は南カリフォルニア大学教授モーガン・マッコールのリーダーシップ開発を扱った同名著作によるもので、高く跳ぶ人、つまり組織のトップリーダーになる人材をイメージさせる言葉です。公共・非営利分野のそうした次世代リーダー育成に懸ける思いを託して制定したものです。また、ブランドカラーのワインレッドとグレーは、熱き情熱と冷静な思考を意味する「ウォームハート&クールヘッド」の表現です。 名前にもマークにも私なりの思いが反映されています。参加者が広がり日本中でこれらの名前とマークが知られるようになる日が一日も早く来ることを願っています。多くの皆さんの参加と応援をよろしくお願いします。 |
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